構内事故を考える 2
~ハンドル操作と衝突部位から構内事故を考える~
顧客構内・前路上 バック行動時
引き続き、構内事故のハンドル操作と衝突部位から指導点を考えていきます。
次は、顧客先構内でのバックによる事故から見てみましょう。
先ほどの3社での事故内容を見ると、
4トン車主体のA社の顧客構内では、全バック事故の65%がバック事故です。
同じく4トン車主体のB社は、60%が顧客構内でのバック事故となっています。
また、大型トラック主体のC社は、14%が顧客構内で、自社構内前路上でのバック事故が81%となっています。
これらの事故内容から、バック事故を防止対策として、当支援チームでは原点回帰講習(人とは?車とは?)実技前の座学で質疑と理由・根拠を質疑応答した後、理由・根拠を実技で検証しています。
「バック駐車の基本ポイント①~④の意識行動」を実践させ、理由・根拠を原点回帰講習で実技体験させることで理解出来るのではないでしょうか?
下記に掲載する構内事故内容のバック行動等を見て、上記【バック駐車の基本ポイント①~④】を
あてはめて考えてみてください。
理由が判ると思います。
下記の運送会社の構内事故を見てみますと、運送形態や使用車両によって構内事故の内容が変わってきます。
A社▶4トンが主体で、発生場所は、全事故の60%(125件)が構内事故で、多発事故は、バック事故
が66件、全バック事故の約90%が構内で発生
B社▶A社と同じく4トンが主体で、構内事故が全事故の58%(171件)を占め、多発事故はA社と同じ
くバック事故で106件発生し、バック事故全体の90%を占めています。
C社▶大型車主体で、構内事故は96件発生し、全事故の65%占めています。
また多発事故はバック事故で全バック事故の98%と多発事故となっております。
ただ、A・B社と違う点は発生場所で、A・B社は顧客構内・前路上であったものが、
自社(店)構内・前路上となっています。
▼構内事故は、顧客構内・前路上事故が95件発生し、
バック行動によるものは、50件発生しています。
(右表下に、前進時とバック事故の衝突部位比較、
相手方比較を参照)
▼顧客構内・前路上事故を直進・左方・右方バックで
別けると、左方バック25件、右方バック15件、直進
バック10件の順に発生しています。
~ バックは、真っ直ぐバックが基本 ~
衝突部位で区分すると、後部右角19件、
後部左角15件、後部11件の順に発生
となっています。
また、前進時と比較して5件以上の差があるのは、
後部右角19件、後部左角15件、後部11件となってい
ます。
~ これら衝突部位は、ドライバーの見落とし箇所
であり、また、バックモニター映らなかった箇所
(バックモニターにも死角がある)ということにな
ります。 ~
▼顧客構内・前路上でのバック事故の相手方で見ると
屋根.軒.庇等高所設置物13件、車12件、
信号・街灯・柱等6件、柵・フェンス6件
で、前進時と比較して相手方が、3件以上多いのは、
車12件、信号・街灯・柱等6件、柵・フェンス6件
となっています。
しかし、前進時と後退時の屋根.軒.庇等高所設置物衝
突件数には変化がありません。
ということは、ドライバーは、高所 障害物に対して
の意識が希薄また指導の盲点になっているのではないでしょうか?
・後退進入し停車していたところ前方から他社車両が後退。前方車両の動向が
気になり<バックアイカメラの確認で後退した結果屋根に後突した。
(高所衝突、判断ミス、カメラにも死角があり接近してからでは映らない、
後退前の高さを含めた後方確認)
・納入場所にトラックをバックで停車させようとした際に、施設内の2階渡り廊
下の高さの確認を怠りトラックボディ右後部と渡り廊下の下部分を接触させた
(高所衝突、認知ミス、バック前停止しての高さを含めた後方確認)
・荷卸しをする為、搬入口に向ってバックしたところ、下がり過ぎて屋根
(軒下)下に車両後部を後突させた
(高所衝突、判断ミス、バック前停止しての後方確認)
・配達先工場駐車場にて後退(4m)で敷地に入っていく時に隣接の店舗の一般
顧客車両が同時に後退(4m)してきており両車両確認不足で、対処しきれず
に後突した (認知ミス、確認出来ていれば相手を先に行動させてから、自車
がバック行動する)
・配達時、配達先の前の道路が狭く袋小路になっている為、バックにて進入しよ
うとした。そのため配達先前の家のガレージ門扉に接触した
(認知ミス、ミラーを使ってのバックは曖昧、バックモニターの併用)
・納品場所がいっぱいでトラックを左に寄せ待機しようとしモニターを確認せず
バックしたところ真後ろにいたスクーターに後突した(同乗者あり)
(認知ミス、バック前の安全確認・モニターの使用と、同乗者を降車させ補助
させる)
・配達先の構内で荷卸場所へ後退したとき、後方確認を怠り、車道と歩道を分け
ているガードレールへ接触した
(認知ミス、場面が変わる際は、必ず停止して後方の安全確認したのち行動す
る意識が必要)
・納品先でトラックを駐車する為後退した際、左後方にフォークリフトが止めて
あったことに気付かずフォークリフトカウンターウェイトにトラック後部左バ
ンパーを接触させた。(認知ミス、場面が変わる際は、必ず停止して後方の安全
確認した後行動することが必要)
・後退して進入しようと道路から後退を行ったが、右側後方の目視を怠ったため
に道路標識に接触した。
(認知ミス、場面が変わる際は、必ず停止して左右と後方の安全確認したのち
行動する)
・ホーム接岸時、右へ寄り過ぎた為に前方へ移動した時に開いた状態の右観音扉
を建屋の柱に食い込ませるように接触させた
(処置ミス、移動時、労を惜しまずフックを掛けに行く、バック速度速い)
▌直進バックは、到着後9件、作業中1件で納品後の事故はない。
▼直進バック時10件中6件は、後退時、事前の確認や周囲の確認
不足により事故になっています。
方向が変わる。場面が変わる。際は必ず安全確認した後、行
動してください。
★交通事故発生原因の85%は、認知ミスと判断ミスです。
▼直進バック時での高所障害物の衝突は、3件発生しています。
車には、前後、左右、上下の死角があり、運転席に座る
ドライバーは、そのことを意識して行動する必要があります。
▼また、バックモニターにも死角があります。
取り付けてあるバックカメラには、視野角が有り映らない
場所があることを知っておいてください。
ある運送会社では、パワーゲート車の場合、パーゲートの
先端ら合わせてあり高さの部分が見にくくなっています。
自分が運転する車両バックカメラの視野角を調べておくと
色んな場面で活用できます。
キャビンの大きさによっても死角距離は変化します。
※高所障害物は、ドライバーが行動前に【危険】と認識したか?
【バック行動時】時、認識の上にたった行動をしたか?
にかかってきます。
▼下の検証結果参照
▼上記、直進バック時の事故は、到着後9件、作業中1件で納品後の事故はないことから、始めての納品先であれ
ば、受付の人や事務所の人に「高所障害物への衝突事故の有無」等について尋ねておくのも一つです。
事故を起こしてから報告書等を提出する等を考えると、尋ねることで時間の短縮、顧客への信頼度も上がるの
ではないでしょうか?
▼ミラー、バックモニターだけでバックしていませんか?
ミラーを介してのバックは、曖昧です。 左右のミラーは凸面鏡になっており、ミラーの視野角も違っていま
す。広く映すほど⇒遠近感がわかりにくい。のです。そのため、ポイントポイントで停止しての安全確認が必要
です。(降車周回確認する場合は、下だけでなく上の確認も忘れずに!、バックモニターにも死角があることを
忘れずに)
また、確実な安全確認は停止しての安全確認が一番です。(下記、「ミラーを介しての車両感覚」参照)
▼それともう一つ「車は急に止められない」ということです。動いている車を停めるためには、必ず停止距離が存
在します。
停止距離は、【空走距離+制動距離=停止距離】なので、時速5kmであっても1m前後の停止距離が発生します。
すなわち、人は【認知】【判断】【操作】=時間の存在=【停止距離】となるのです。
車を運転する際は、「死角部分を自分の目で確認する安全確認」と「車には停止距離が存在する」意識をもった
行動が必要です。
▼下記のボタンは、支援チームの動画等です。参考にしてください。
・顧客先の構内にて下車確認を怠り、後退したところ後方にある事務所の屋根に
当該車両の右後方側面が接触し、屋根の雨樋を歪めた
(高所衝突、バック時、認知ミス、前停止して左右・上下の安全確認、バック時尻振り距離
を予測)
・配達先に道路よりバックで進入したところ、配達先の軒及び電光掲示板に右後
部を接触させた。
(高所衝突、認知ミス、バック前停止して左右・上下の安全確認、バック時尻振
り距離を予測)
・搬入口の前に乗用車がとまっていたため、乗用車と建物の間を後退したが、左側
の建物の先にあった駐輪場の屋根を見落とし接触した。
(高所衝突、認知ミス、バック前停止して左右・上下の安全確認)
・配達先の荷降ろし場に後退する際に、右側の軒先に接触させた。
(高所衝突、認知ミス、バック前停止して左右・上下の安全確認)
・配達する際に建物と平行に後退した際、右後方の確認不備にて倉庫の上部軒と
車輌右側後方上部を接触させ破損させた。
(高所衝突、認知ミス、バック前停止して左右・上下の安全確認)
・駐車場より後退にて出る際に、オーバーハングの目測を誤り、左前部側面を駐車
場の仕切りの石柱に接触させた
(左方バック時、判断ミス、左側の巻込み距離の予測と確認)
・集荷先にて一般道よりバックで進入した際、構内に設置されている街灯ポールに
後突した(バック前停止して、認知ミス、モニターによる後方の安全確認)
・配達先待機所にて4t車両を方向転換した際に左側に停車中の4t車左ミラー及び
フロントバンパーへ当方の後部を後突させた
(バック前、認知ミス、停止してモニターによる後方確認、焦りは禁物)
・配達時、配達先の前の道路が狭く袋小路になっている為、バックにて進入しよう
とした。そのため配達先前の家のガレージ門扉に接触した
(バック前、認知ミス、停止してモニターによる後方確認、焦りは禁物)
・雨の中バックにてホームに接岸する際、駐車中の自家用車の右前フェンダー及び
右前バンパーに自車車両の右前バンパーを接触させた
(バック前、認知ミス、停止してモニターによる後方確認、目視により左右確認)
・集荷先敷地内に対して、後退にて進入しようとした際右後方の確認を怠り、
当該車両のテールランプ付近と集荷先門柱及び敷地内フェンスに接触
(バック前、認知ミス、停止してモニター&ミラーによる後方確認)
・下車確認後、左側後方の停車車両との十分な間隔を確認後、右後方の乗用車及び
住人の飛び出しに注意を注ぎ後退するも、左後方の郵便受けポール、壁面への
目測を誤り接触させた
(判断ミス、停車場所2~3m手前で停止して後方の安全確認と、停止しておれば
一気に下がる必要はなかった)
・配達先から出る際、誘導してもらい後退したところ、道路に面した家の玄関先
の門柱に後突させた。
(認知ミス、誘導してもらう際も過信しない、ポイントポイントで停止しての安
全確認)
・配達先を通り過ぎ、方向転換しようと切り返し後退した際、後方施設に後突した
(焦らない、認知ミス、バック前、停止してモニター&ミラーによる後方確認)
・狭小スペースでの後退駐車時、下車確認を行い後退したが目測を誤り駐車車両に
左角を後突した
(判断ミス、ミラーだけのバックは曖昧である、停車場所2~3mでの停止する
意識が必要)
・駐車場への後退時、駐車スペース仕切りのポールを見落とし後突した
(認知ミス、添付写真からモニターを見ずにバックしている。停止してモニター
確認必要)
・道沿いの顧客先に後退進入しようとし、信号待ち渋滞車両の間を後退を始めた
直後にクラクションがあり停車させたところバイクに接触。バイクを転倒させ
た。(認知ミス、道路からの顧客構内へのバック進入は非常に危険、前進進入が
困難な場合、速度を落とし何回かに分けて停止しながらバックする)
・後退時、ハンドルを左に切りながらにフェンスとフェンスの間を通過しようと
右後方を目視しバックしていたが、左後方の建設資材が気になりバックアイで
見た際に右後方がフェンスに接触させフェンスを損傷させた。
(判断ミス、気になるなら停止しての確認が一番、バック駐車行動での問題点は
障害物通過前の停止と、確認です)
・配達先で、スイッチバックで進入した際、左後方に駐車していた車両に当方左後
部を構内駐車中の乗用車に後突した
(認知ミス、バック時駐車車両の認識していたか?、認識せず、バックモニターを
見ず後退したのでは?)
・配達先構内にて荷卸を終え退出する際に、方向転換をするべく後退したところ
倉庫壁に後突した(認知ミス、バック前の停止しての安全確認、内容から後方確
認なし)
・集荷先構内において後退しホームへ接岸する際、当方左側へ駐車中の4トン車
に接触させた(認知ミス、バック前、停止しての左右前後の安全確認)
・配達先構内に大型車が停車しており、リフト作業スペースを確保しようと自車車
輌を左に少しハンドルを切りながら後退させたところ、敷地と歩道を仕切るフェ
ンスに後突し破損させた。 (認知ミス、バック前、左ミラーとモニターで確認が
必要)
・配達を終え、乗車して後退出庫する際に、進入して来た同業他社がバックしたた
めそのまま後退したが、歩道手前での相手の停車を確認しなかったため、後突し
た。(認知ミス、事故図を見ると真っ直ぐバックして、右折で出口に向かえば事
故にならなかったのでは)
左方後退時
・到着後と納品後でみると、到着後は20件、納品後5件で、到着後が80%となっていることから納品しなくては
という焦りが見受けられるます。
・左方後退時の衝突の多い順では、高所障害物への衝突7件、車への衝突6件となっており、両障害物だけで左方
バックの52%を占めている。
・高所障害物衝突の最も多い部位は、後部右角3件となっており、後部右角全体10件の30%を占める。
車への衝突が最も多い部位は、後部左角4件で、後部左角全体8件の50%を占めています。
・大半が、認知ミスとなっています。
★後退時バックモニターの有無別と衝突部位(過去の調査)
▌バックモニター無しでは、後部左角が多く
バックモニター有りでは、後部右角の方が多くなる
【考えられる原因】
▌駐車場所を決めた場合、停車場所や後方を確認していない。
▌バックモニターを確認する前にバックしている。
▌バックモニター注視しながらハンドル操作をしている。
▌自車の死角部分や障害物を把握していない。
ことが事故データ・発生報告書から窺われます。
これらを防止するためには、自車をバックする前に、後方の障害物の確認が必要不可欠です。
★交通事故発生原因の85%は、認知ミスと判断ミスということを忘れて
はなりません。
▌左方バック時、右後方が疎かになる傾向がある。
左方にバックする際、どうしても左ミラーやバックモニターに
目が向き、右側が疎かになるのではないでしょうか?
▌「バックは真っ直ぐバック」を基本に考える
バックとハンドル操作別で見ると、
直進バック10件、左方バック25件、右方バック15件
となっており、発生件数からみると、バック駐車の基本である
「バックは真っ直ぐバック」基本の意味が理解できるのではな
いでしょうか?
~真っ直ぐバックすることで、左右の衝突のリスクを無くす。
~自身の車両感覚は曖昧 ▶右後方感覚検証動画参照▶
~バックする際、モニター、ミラー若しくは降車して、後方の
安全確認を自身の目で行う気持ちと行動が必要です。
運転は、予測と判連続連続です。この予測と判断は、ドライバーがもつべきスキルなのですが、ふとした瞬間に疎かになってしまうことがあります。それが事故につながってしまうのです。
顧客先は、駐車車両やフォークリフト、また荷物等が置かれ狭い敷地もあるなど、多種多様な場所である構内での運転行動です。
この構内での事故を防ぐためにも、止まる。確認する。やり直す。意識と「バックは真っ直ぐバックが基本」を念頭にルーティンや習慣化に繋げる必要があります。
また、判断するためには認知(安全確認)が不可欠です。
特にA社の場合、208件の事故のうち98件(47%)が顧客構内・前路上となっていることから注意が必要です。
また、 到着後と納品後でみると、到着後は20件、納品後5件で、到着後が80%となっていることから納品しなくてはという気持ちの焦りがあるのではないでしょうか?
下記、資料等を参考に御社でも実施してください。
社員の意識度、認識度を把握する。
・安全確認とは?
・業務運転車両の車長、車幅、車高
・オバーハングについて
・バック事故を防止するための
バック時4つのポイント
(行動と理由・根拠)
の4問と解説~右のPDFをダウロードして実施してみてください。
▼下ボタンに4種類の検証動画を掲載していますので参考にしてください。
▌ドライバーに日頃運転する車は、どれぐらい尻振りするか? どれぐらい巻き込むか? また、どれ
ぐらいはみ出るかを教え、また、ポイント、ポイントで必ず停止して確認することを指導してく
ださい。発生内容を確認していますと、ほとんどが停止しての安全確認が出来ていません。
事故の発生を抑えるためには、停止しての安全確認が一番です。
★交通事故発生原因の85%は、認知ミスと判断ミスということを忘れてはなりません。
・配達する際、幅が3.5mの門扉へ後退させた時、左後方確認を怠り敷地内の軒先
雨どいに当車両の左後方上部を接触させ破損させた
(高所衝突、バック時、認知ミス、バック前停止しての上下を含む安全確認測)
・添乗指導中ドライバーが車両を後退移動させる際、後方確認不十分のため壁か
ら出ていた換気扇のカバーに接触した。添乗指導者の後退誘導なし
(高所衝突、バック時、認知ミス、指導員は呼称による安全確認を指導する必要
あり)
・3トン車をバックで接岸する際、右側より来たダンプカーが通行できないと
判断、再度後退したが目測を誤り左リアドアフレームが樋に接触した
(高所衝突、バック時、焦りによる認知ミス、バック前停止しての上下を含む
安全確認)
・配達先顧客付近までバックで進入しようとした際、車両左後方のショック止め
部分をポールに接触させ破損させた。
(バック時、認知ミス、バック前停止しての上下を含む安全確認)
・(顧客先へ配達に伺い後退にて入場する際に後方確認不徹底により停車している
車両に当車両の後方部のゴムを接触させた
(バック時、認知ミス、バック前停止しての上下を含む安全確認)
・荷卸待機するため、駐車場にて方向転換で後退した際に、左側の駐車車両に
注意が偏り、車両右側後方角をフェンスに後突した。
(バック時、一点集中による認知ミス、バック前停止しての安全確認)
・顧客先構内でホーム付けするため下車しリアドアを開いたが、運転席に戻るま
でに戻るまでの間に車の後ろに駐車した車両に気が付かず、バックした為、
相手の荷台に後部が接触した
(バック時、認知ミス、バック前停止してのモニター等による安全確認)
・配達先の敷地内へバックで入ろうとした際に、入口に張られていた網ネット
のカ-テン用のワイヤ-を見落とし、接触させた
(バック時、認知ミス、バック前停止してのモニター等による安全確認)
・観音扉を開けて後退した際に後方左側にある柱との距離間を誤り、左側の
観音扉の蝶つがいと施設柱のコーナーガードが接触し傷を着けた
(バック時、判断ミス、施設柱手前で前停止してのモニター等による安全確認)
・顧客構内に接岸するため後退した際、左後方に停車中の他車車両の運転席側
ミラーに接触させ破損させた
(バック時、左側停車車両を認識しているなら判断ミス、自車後部左角のはみ出
し距離の把握、車両直前での停止してのモニター等による安全確認)
・集荷先構内にて後退時、停車していた乗用車の右後方部と当該車両の左前方部
を接触させた
(バック時、判断ミス、バック時前部前部左角のはみ出し距離、アンダーミラー
による安全確認)
・配達添乗指導中に公道より配達先へ後退して進入した際に右側駐車車両の
のフロントバンパーボンネットに後突した。
(バック時、認知ミス(指導中であれば危険箇所を呼称させる、バック駐車4つの
ポイントを実践)
・車輌に道を譲るため後退中、左の石垣に気を取られ配達先である個人宅の
ブロック塀に後突した
(バック時、一点集中による認知ミス、バック前停止してのモニター等による
安全確認)
・雨で雨濡れをさせないため、積み込み場所に幅寄せをしていた所、後方に
あった電柱に気付かずバックして電柱の足場ボルトに右観音扉を接触させた
(高所衝突、認知ミス、バック時、バック前停止してのモニター等で上下の
安全確認(モニターには足場ボルトは映っていないか?見えにくくなっている)
電柱の場合降車確認がよい(足場ボルトはよく接触している))
▼顧客構内・前路上での右方バック時衝突部位
右方バック事故は、右の表のとおり全件で22件発生しています。
顧客構内・前路上での右方バック事故は、15件となっていますので、全右方バック事故の約70%を占めています。
衝突が多い順に見ると、車5件、高所障害物3件、柵・フェンス3件となっており、顧客構内・前路上事故の右方バック11件発生していますので、約73%を占めることになります。
右方後退時
・到着後と納品後でみると、到着後は15件となっており全件が到着後です。
・左方後退時と同じく、車への衝突5件(6件)、高所障害物への衝突3件(7件)、柵フェンス等3件(3件)の11件で、
3障害物だけで右方バック時の73%を占めています。左方バック時は、同じ3つの相手だけで64%を占めていま
す。
・発生内容を読んでいただいて分かると思いますが、
⇒ 構内等でバックする際、ほとんどが安全確認をしてからの行動をしていません。
「交通事故の85%は、認知ないし判断の誤りを原因として発生している」と言われています。
上記右方バックの事故内容からみると、約90%が認知ミスです。
また、直進バックは、70%が認知ミスで、左方バックの場合は、約70%が認知ミスです。
⇒ それと障害物を認めたなら障害物手前で一度停止しての安全確認ができていません。
⇒ 自身が運転するトラックの、左右後部角のはみ出し距離、前部左右角のはみ出し距離や左右後輪の巻込み距離
等を知っておれば、発生件数は半減していたのではないでしょうか?
▌車の運転は、ドライバーの認知・判断によりハンドル・アクセル・ブレーキを操作していることと、
交通事故原因の85%は、認知ミスと判断ミスによって発生しています。
このことは、交通事故発生報告書を見れば明らかで、ドライバーが事前に危険物を認知して行動しているか?
また、自分が運転する車の車両特性を理解し行動しているか?で、結果は変わります。
私どもが 講習時に伝えていますことことは、基本(人とは、車とは)を知った上で「止まる。 確認する。 やり直す。」考えで行動してくださいと伝えています。
*バック行動に移行する際は、必ず安全確認してから行動することです。上記事故内容を読んでも分かりますよう
に、停止しての安全確認が出来ていないのです。この行動を実施しておれば大半のバック事故は発生しなかった
と考えられます。⇒ 一連の流れに乗った動きが事故を誘発しています。⇔ バックする際は、必ず停止して安全
確認してから行動することを指導してください。
▼下記に参考動画等を再掲載しておりますので、一度実施してみてください。
~ミラーやカメラが設置されてあっても死角は、あるのです。
ミラーやカメラを設置しても死角部分は存在し、それを補うためには、ドライバー自身の目で見るしかないことを忘れないでください。また、確実な安全確認は停止しての安全確認が一番です。
「バック駐車応用編」の指導方法は、①基本指導 ②高所障害物 ③車両特性(リアーオバーハング、内輪差等)と高所障害物を設置した駐車場からの出と入りを組み合わせた指導講習で、原点回帰講習内容の総括になります。
上記の動画は、 シンク出版発刊の「バック事故防止実技講習ノート」を購入された管理者・指導者の方が講習を実施する際の支援動画です。