原点回帰の交通事故対策
≫ 業務中の交通事故を減らすために色々な対策をしたが事故が減らない。
≫ 新規担当になったが何から手を付けたらいいのか?
等、交通事故対策で悩んだ場合は、今一度、原点に戻って交通事故対策を考えてはいかがでしょうか。 【参考 知識のドーナツ化現象】
多くの企業は、交通事故対策についてPDCAマネジメント
Plan(計画) Do(実施) Check(評価) Action(改善)
を取り入れて実施されています。
担当者として、このPDCAサイクルを効果の挙がるものにするためには、Plan(計画)の前に、
交通事故分析、社員の安全意識度等の実態を把握しておくことが必要です。
この基礎(原点)部分は、交通事故に悩んだ場合、新規担当なった場合、原点に戻って分析・見直しを行えば新たな対策となる原因が見つかるでしょう。
説明は、
下記表の①~④の順で掲載しておりますので参考にしてください。
原点回帰の交通事故対策の考え方 | ||
交通事故対策に悩んだ時、新規担当になった時 | ||
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① 法、社内規定 確認 | ②-1 交通事故 分析 | ②-2 社員の安全意識度 把握 |
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③ 交通事故実態・安全意識度実態の開示 ▶ 社員の意見・要望(アンケート調査) | ||
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④ 抑止事故形態と違反の設定 |
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PDCAマネジメント |
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Plan (計画) |
▶ |
Do (実施) |
▶ |
Check (評価) |
▶ |
Action (改善) |
下記に対策を行うまで知っておくべき内容を表にしてありますので参考にしてください。
各項目の説明は①~④の順に表以降で説明します。
原点回帰の交通事故対策 説明概要 | ||||||
① 確認 |
●社内規定(業務運転者服務規定、車両管理規定等)有無・内容 を確認してください。 |
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実態把握 下記の②-1-2は抑止対策等を行う上で必須項目です。 | ||||||
②
実態 把握 |
②-1 |
分析することで、 ●損害額が多い事故、多発事故等がわかります。 ●業務中事故多発者を抽出できます。 ・事故形態対応した指導がとれる。 ・内容等により指導区分を変えることが可能になる。 |
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②-2 まとめて取得
見えない管理を、見える管理にできます。 |
まとめて取得すれば、 ●会社の事故・違反発生件数がわかります。 ●事故・違反発生率で他社との比較ができます。 ●事故・違反多発者、悪質違反者を特定できます。 継続して取得すれば、意識づけ、抑止・抑制効果があります。 |
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③ 調査 |
を開示して共有し、 アンケート等 で意見・要望を把握 |
●管理部門の会議資料のみの利用ではなく、社員全員に開示し共有してください。 ●機会利用で、開示内容の意見、要望等のアンケート調査をしてください。 |
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抑止事故形態と抑止違反項目を決めてください。 | ||||||
④
抑止 目標 設定
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④-1 |
まず、一つの目標を掲げてください。 (件数か、損害額か、人身事故率か) |
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④-2 ④-1から 抑止事故形態の原因 となる違反の発生率 を確認して 抑止違反項目を設定 |
例 追突 ~ 速度、携帯違反 出会い頭 ~ 信号無視、一時不停止、通行禁止 バック事故 ~ 信号無視、一時不停止、通行禁止、 進路変更禁止違反 |
▼ 法律に基づく関係
安全運転管理者等の選任義務(運行管理者関係は省略)
道路交通法第74条の3第1項、第4項で、一定台数以上の自動車の使用者は、自動車の安全な運転に必要な業務を行わせるため、その使用の本拠ご
【支援チーム】
法律の規定を安易に考えないでください。もし業務中にひき逃げや死亡事故などの重大事故等が発生した場合、管理責任を追及される場合があります。また選任していない場合、罰則規定がありますので強制捜査になることもあります。
▼ 社内規定
「業務運転者服務規定」等は運転者の義務や服務をさらに具体的に規定し、それを遵守させることで安全運転の確保を目指したものです。業務運転での基本的なポイントを定めておけば、運転者に対する根拠や安全運転教育用の基礎教材として活用することもできます。
【支援チーム】
次に説明します「②実態把握」の結果に対応した対策を進めるとき、各種規定内容が則わないことがある場合は検討して改正してください。
「対策は原因に有効でなければならない。」と言われますが、有効な対策→的確な原因・ポイントを押さえるためには「交通事故分析」が必要不可欠です。
業務中の事故が発生するたびに上司から「何か有効策はないのか?」と言われる前に担当者自身から「交通事故分析に基づいた対策」を提案し実施するのがベストです。
根拠データを基に対策を提案
▶
交通事故を分析するためには、
▶業務中の交通事故データ
▶データを分析するための道具(ツール)
が必要です。
「支援チーム」では、担当者向けの「事故分析ツール」を無償提供しておりますので、右のボタンから内容を確認のうえダウンロードしてお使いください。
日ごろお使いのExcel仕様となっております。
█「バック事故分析&指導ツール」Excel仕様
内容は、衝突部位から見た分析と指導方法で実技講習や支援から得た内容を「交通事故分析ツール」では補えない貨物車や乗用車でのバック事故分析と指導方法に特化した分析ツールです。
注:貨物車用と乗用車用の2種類があります。
█「ハンドル操作別 事故分析ツール」Excel仕様
ハンドル操作と衝突部位の複合分析から見て指導方法を考えるツールです。他に経験年数、バックモニターの有無別事故発生状況等が分かります。
注:イラストを差し替えることで車種別にも対応しています。
「見えない管理を見える管理に」する方法の一つが運転記録証明書をまとめて取得する方法です。
この運転記録証明書は法律に基づいた制度で、有効な免許を持っている人の過去5年間の「交通事故、違反、行政処分、証明時点での前歴・累積点数」がわかります。
この運転記録証明書を一括申請をすれば、申請者全員の事故・違反記録を集計した「運転記録証明書の分析結果」の提供されます。この「分析結果」が会社(社員)の安全意識度を測る一つの資料です。
運転記録証明書を取得することで、
●未報告事故や業務外事故
●業務・プライベート時の違反
●未報告の行政処分
●証明時点での累積点数
等がわかります。
【メリット】
内容を確認することで、
●有効な免許の有無
●停止期間中の業務運転の有無
●社員の意識づけ
●不正行為の抑止・抑制
●同証明書に基づいた指導
が可能になります。
【デメリット】
●証明書一通につき670円必要
【注意事項】
●運転記録証明書は個人データ
≫会社がまとめて一括申請する場合、委任状が必要
【会社が一括申請のメリット】
まとめて申請すると
●「運転記録証明書の分析結果」提供がある。
≫ 違反・違反等の集計内容がわかる。
≫ 発生率等で他企業との比較ができる。
≫ 申請時、部署別を区分して申請すれば、「部署別比較資料」も付いてくる。
※独自資料を出している事務所もあります。
≫ 「証明書」「分析結果」を利用した活用ができる。
運転記録証明書、同分析結果、申請方法等の詳しい内容は右のボタンをクリックして確認してください。
【支援チーム】
「うちは性善説をとっているから。」と言われる管理者の方もおられます。
しかし、よく考えてみてください。
社内規定で飲酒、無免許の解雇規定がある場合、「申告した社員は解雇」「不申告社員は雇用継続」 これでよいのでしょうか?
不心得な考えを抱かさないためにも裏付けに基づいた対策も必要ではないでしょうか。
※ 自社の安全運転意識度調査
運転記録証明書を会社で一括申請すれば、自社の交通事故(人身)・交通違反の発生率を同業種や企業平均等で比較資料が提供されます。
この比較資料から抑止目標数値を設定するのも一つです。
②で把握したデータを共有し、アンケート等で社員の意見・要望を把握してください。
共有することで意識の変化はでますがさらに一歩進めて
●確実な意識づけ ●意識調査 ●要望 等を目的としたアンケートを実施するれば、以後の交通事故防止対策をスムーズに実施できます。
下記の内容等を参考に検討してください。
また、参考以降に簡単にアンケートができるツールとシステムを掲載しておきましたので、確認のうえ利用してください。
参考 2021.1.21追加
参考① アンケート調査内容
見本は、「運転記録証明書の分析結果」内容を入れたアンケートです。
アンケート1枚目
アンケート3枚目
参考② アンケート回答・集計
アンケート回答(上記企業とは別です。)
▼対策後、減少傾向から増加傾向の兆しが見えたのでアンケートを実施
(サービス業 社員21名)
別記回答内容
・黄色になっても今までは急いで行っていたが、停まるようになった
・気がゆるむときがある
【支援チーム】
▼eラーニングシステムを使えば簡単にアンケートが行えます。
当「支援チーム」も運営に参加していますeラーニングシステムISYSを利用すれば、簡単にアンケート・集計が行えます。
他に「課題提出」「Webテスト」機能がありますので、交通事故防止のための意識づけ対策等に活用できます。
バック事故が多発状態でしたら
「バック事故に対する意識度・認識度調査」
を実施してみてください。
社員のバック駐車行動が把握できます。
▼ ④-1 抑止事故形態の設定
抑止する交通事故形態を設定するには、
▶多発事故 ▶損害額が大きく占めている事故 ▶人身事故率が高い事故
の3形態が考えられます。
設定は、まず一形態から始めてください。
「あれも大事」「これも大事」という気持ちはわかりますが、一点集中で抑止目標を設定した方が効果が挙がると思います。
まず、分析データを基に抑止事故形態を設定してください。
決まったら、次の検討「運転記録証明書の分析結果」の交通違反項目別発生件数・率を見て、抑止事故形態と原因となる違反の検討をしてください。
▼ ④-2 抑止事故形態に対応した違反の設定
交通事故は結果です。原因はドライバーの不安全(違反)行為にあります。
悪質違反(飲酒、無免許、50Km以上の速度違反等)は別として、たとえば「出会い頭事故」を考えますと、「信号無視」「一時不停止」「通行禁止」が考えられます。
「出会い頭事故」は、「止まる。確認する。」運転行動ができていれば防げる交通事故です。
このことを考えれば、「信号無視」「一時不停止」「通行禁止」の違反をするドライバーは「止まる。確認する。」行為が出来ていないのです。
通行禁止違反→ 規制標識のほとんどは交差点に設置されています。この標識を見落とすということは、「止まる。確認する。」運転行動ができていないからです。
また、「バック事故防止講習の必要性」→データから見た 「一時停止」 と 「安全確認」でも説明しましたように、「止まることのできない人は安全確認ができていない」のです。
また、追突事故が多い場合、グラフのように携帯電話の使用違反の発生率がどの様に推移しているか確認する必要があります。
(運転記録証明書の分析結果Ⅱ(自動車安全運転センター大阪府事務所 独自版の一部を掲載))
以上が「原点回帰の交通事故対策」で、計画立案までの内容となっております。
以後の防止対策案等につきましては、支援ページの内容をご覧くだい。
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