ヒヤリハット分析から見た指導方法


 

 下記のヒヤリハット分析の結果は、公益社団法人 全国産業廃棄物連合会ホームページ「産業廃棄物処理業ヒヤリハットデータベース」内の車に起因するヒヤリハット520事例を同連合会の了解を得て分析したものです。 

 ヒヤリハットの主体は貨物自動車となっていますが、普通自動車にも通ずるものですので参考にしてください。

 

 なお分析は、同データベース内の「場所」「何をしているとき」「何がどうした」を細分化し、交通事故の過失割合等を参考に分析をしておりますが、「事故に至らなかった理由」につきましては内容を読んで

・偶然・まぐれ ・急ブレーキ ・停止 ・ハンドル回避  ・減速 ・徐行 ・広めの車間距離 ・危険予測 ・動静注視  ・相手が回避  ・相手の合図  ・再確認 ・ミラー確認 ・事故 ・その他

の項目に分け主観的に判断しております。

 また、分析した内容につきましては、順次公開してまいりますので、今回は総論として見てください。

 今回のヒヤリハットデータの使用について快くご承諾をいただいた公益社団法人 全国産業廃棄物連合会様に感謝申し上げます。

 大阪香里自動車教習所 安全運転管理支援チーム




 

分析1 ヒヤリハット形態別(21形態)と主たる原因別

 

 ヒヤリハット形態別(21形態)と主たる原因別(当方、相手、双方、その他)をクロス集計したものが下記の表とグラフです。

▼全体(原因が、当方、相手、双方、その他)



■形態別

 「確認不足」が全体の25%を占め、次いで「割込み・車線変更」、「とび出し」「前車急減速・停車」と続き、四項目で全体の65%を占めています。

 

■主たる原因

≫当方に原因があるものでは、

 「確認不足」が44%

次いで「前車の急減速・停車」「運転操作・車両、積載物点検不備」の順に多く、三項目で全体の70%を占めています。

≫相手の原因では、

「割込み・車線変更」が40%

で、「とび出し」「信号無視」と続き三項目で全体の72%を占めています。 


▼参考

 ヒヤリハット形態の「運転操作・車両・積載物点検不備」 「視界不良」 「スリップ、風等による運転不能」

の内容は下記の状況(抜粋)等になります。

運転操作・車両・積載物点検不備
▼信号待ちの間に、日報記入をしている時ブレーキを踏んでいたが、踏込みが甘く少し下り坂になっていた為、前に進んでしまい前方のトラックへ追突しかけた。

▼車両を発進させようとした際後部扉のロックを掛け忘れた為、扉が開放状態で発進してしまった。ミラーで扉の開放を確認した為、即座に停止し、扉のロックを掛けた。

▼車両を停止させ、降車しようとした時坂道での停止でサイドブレーキがあまく、車両が前進した。前進した車両と建物が接触しそうになった為、あわててブレーキを踏んだ。

▼帰社中出口手前の急坂途中にある停止線で一時停止をし、発進しようとしたらエンストした。ブレーキを踏んだがエンストしている為に作動せず、慌ててサイドブレーキを引いたが、1m近く下がってしまった。

▼運転中走行中、コンテナシートの留めゴムが3本切れ、積荷が落ちそうになった。路肩に車両を止め、ゴムを交換した。

視界不良

▼一般道路を走行中カーブを曲がったら朝日で逆光となり、前車がいなかった為に信号が変わったのに気付くのが遅れ、赤信号を直進しそうになった。

▼国道走行中車を運転中、太陽の日差しが眩しくて、前の車に追突しそうになった。

▼運転中夜間走行中、雨で前が見えなくなった。

▼運転中夜間走行中、前が見えなくなった。車が行き交う時に火山灰がまい、まわりを見えず、前を走る車との距離がわからなかった。

▼車のフロントガラスについた霜を一部分取り除いて出発した時運転席サイドガラスの霜を取りのぞかなかったため、右方向から来た車両と衝突しそうになった。

スリップ、風等による運転不能

▼橋の上を走行中横から強い風を受けて、車が流されてしまった。

▼顧客先に向かう途中峠道を走行中、カーブに入った所が圧雪と凍結状態だった為、若干横滑りを起こした。

▼片側2車線の国道を走行中車輌の轍にハンドルを取られ、右側車線にはみ出し、右後方から走行して来た車に接近。

▼運搬中路面凍結の為、前輪がスリップした。

▼トラック運転中に路面が滑り崖から落ちそうになった。

参考動画    YouTube より



分析2 ヒヤリハット「形態別・場所別」の発生状況 (表・グラフはクリックで拡大します)

 

▼全体(原因が、当方、相手、双方、その他)



 ■場所別

 場所別では、「一般道」39%  「信号交差点・同付近」21%  「信号なし交差点・同付近」13%

の順に発生し、全体の54%を占めています。

 

■形態別

 ≫一般道 の53%は~ 割込み・車線変更21%、 飛び出し19%、 確認不足13%

 ≫信号交差点・同付近の73%は~ 信号無視30%、 確認不足25%、 割込み・車線変更18%

 ≫信号なし交差点・同付近78%は~ 確認不足31%、 とび出し25%、 一時不停止22%


■参考

 ヒヤリハット提出者の直前時行動とヒヤリハット形態別

▼当方(当方に主たる原因がある)



 

■場所別

    場所別では、「一般道」36% 「信号交差点・同付近」15% 「施設・駐車場からの出入り」14%

の順に発生し、全体の65%を占めています。

 

■形態別

 ≫一般道 の61%は、

   ~ 確認不足25%、 運転操作・車両・積載物点検不備24%、 前車急減速・停車12%

 信号交差点・同付近の73%は~ 確認不足44%、前車急減速・停車29%

 施設・駐車場からの出入りの94%は~ 確認不足

 



▼相手方(相手方に主たる原因がある)



 

■場所別

    場所別では、「一般道」38% 「信号交差点・同付近」30% 信号なし交差・、同付近」15%の順に発生し、全体の83%を占めています。

 

■形態別

 一般道 の73%は、~ 割込み・車線変更51%、 とび出し22%

 信号交差点・同付近の77%は~ 信号無視49%、 割込み・車線変更28%

 信号なし交差点・同付近の75%は~ 一時不停止46%、 とび出し29%



分析3 ヒヤリハット「場所別・相手方」の発生状況 (表・グラフはクリックで拡大します)

▼全体(原因が、当方、相手、双方、その他)



■相手方

  相手方では、「自動車」56%  「自転車」15%  「歩行者」12%

の順に発生し、全体の83%を占めています。

 ■相手方の場所別

 ≫自動車 の74%は~ 一般道42%、 信号有交差点・付近20%、 信号なし交差点・付近12% 

 ≫自転車 の80%は~ 信号有交差点・付近31%、 一般道26%、 信号なし交差点・付近23% 

 ≫歩行者の77%は~ 一般道42%、 信号有交差点・付近19%、 施設・駐車場からの出入り16%


ヒヤリハット 場所別/相手方 全体
ヒヤリハット 場所別/相手方 全体

分析4  ヒヤリハット形態別 交通事故に至らなかった要因 (表・グラフはクリックで拡大します)

▼全体(原因が、当方、相手、双方、その他)



 注: 交通事故に至らなかった要因の判断は、ヒヤリハットの内容を読んで主観的に判断しております。

▼ 偶然・まぐれが全体の約70%を占めている。

 

▼ 回避で多いのは、

 ≫急ブレーキ 8% ≫動静注視 8% ≫減速3%

の順となっています。



■ ヒヤリハット分析をして感じたこと 

(安全運転管理支援チーム)

 

 今回はじめてヒヤリハットを分析してみて

 

□ヒヤリハット記載ドライバー側では、

 ▼前車の急減速・停止 ▼施設出入り時

    ▼運転操作・車両・積載物点検不備 

 

□ヒヤリハットの相手では、

 ▼割込み・車線変更 ▼とび出し ▼信号無視

でのヒヤリハットが予想以上に多い。と感じました。


 これらは、

 ▼前車の急減速・停止~ 速度、車間距離 (車は急に止まらない。)

 ▼施設出入り時~ 停止、安全確認 (止まる。確認する。)

 ▼運転操作・車両・積載物点検不備~ 停車時の措置、出発前の積載物等の確認

 ▼割込み・車線変更~ 合図、後方・側方確認 (合図は車同士のコミュニケーション)

 ▼とび出し~ 予測運転・動静注視

 ▼信号無視~ 危険予測

等、私どもが推奨しております自分自身と運転する車を再認識する「原点回帰講習」 

 ➡ 車は急に止まらない。 ➡ 停まる。確認する。 ➡ 見えない死角を事前に見る。

 ➡ 合図は車同士のコミュニケーション。

を意識し運転すれば、これらヒヤリハットは半分以下になるのではないでしょうか。 

 上記ヒヤリハット分析での各項目についての指導方法は、「管理者支援ページ」をご覧ください。


以後、「前車の急制動・停車」「確認不足」「割込み・車線変更」・・・等の分析詳細内容は順次公開、また「管理者支援ページ」内の各指導項目に追加していく予定にしております。

 

ヒヤリハット分析から見た指導方法2

前車の急制動・停車に対する指導方法

( 貨物車の追突指導 )



 ヒヤリハット分析についてのお問い合わせは、

 安全運転管理者支援チームまでご連絡をお願いします。