バックカメラ(モニター)付き車両(貨物車)
バック事故防止の指導方法
バックモニターがあるのに!と指摘する前に、バックカメラの特性等を踏まえた指導でバック事故ゼロを目指してください。
貨物車のバックカメラ(モニター)付車両の指導方法も、「原点回帰講習」及び「バック事故防止講習」の中に取り入れて行うと効果的です。
関連項目 ・ 交通事故対策に悩んだら「原点回帰」の体験型講習を!(交通事故形態に対応する事故原因と指導の考え方) ▼ バック事故対策 意識度・認識度調査 ~ 質疑・回答、集計・結果➠Excel仕様ツールあり~ new ・ バック事故防止の指導方法~ 切り返しと安全確認がバック事故防止の決め手 ~(動画あり) |
█ 衝突部位を見れば原因と指導方法がわかる。
衝突部位から見た分析と指導方法で貨物車用と乗用車用の二種類があります。
なお「バック事故分析&指導ツール」は無償公開ですのでバック事故でお悩みでしたら使ってみて指導の参考としください。
ハンドル操作別 事故分析ツール
~ Excel仕様、ハンドル操作と衝突部位から指導方法を考える。(バックモニターの有無、経験年別等)~ new
すべての事故形態に対応、イラストを替えることで貨物車、乗用車等の分析ができます。 ~ Excel仕様
ハンドル操作と衝突部位から指導点を探る。
バックモニターは、運転席から見えにくい車の後方部分を確認できる便利な装備です。
しかし、車の側方や前部を映していませんので、バックモニターだけを見て後退をすると非常に危険で、それがバック時の衝突部位に現れています。
▌某運送会社のバック事故は、36% ▌59%が拠点、顧客構内・前路上で発生
▌バック事故で見ると、
バックモニター装着車のバック事故発生率は2.7%で、未装着車4.2%と比較すると、1.5ポイント低い。
▌バックモニター装着車の全事故事故発生率(7%)は、未装着車(14%)の半分の発生率となっている。
~ バックモニター(カメラ)はバック事故防止に役立つ機器です。 ~
管理者・指導者としては、バックモニターがあるのだから、ゼロか、もっと低くなるはずだ!と思うのは当然でしょう。
~ 自車認識等を含む基本部分を教え、理解させることが必要ではないでしょうか?
バック事故時、バックモニター装着の有無別での衝突部位が異なる。
▌車両を12側面で分類すると
▶BMなし車は、後部左角と後部がBMなし車
の75%(15件)を占めている。
▶BM車は、後部左角と後部右角でBM車バック事故の65%(34件)を占める。
~真後ろは減少し、後部右角が増える。
・・モニター注視のバック行動が窺われます。
【考えられる原因】
▌駐車場所を決めた場合、停車場所や後方を確認していない。
▌バックモニターを確認する前にバックしている。
▌バックモニター注視しながらハンドル操作をしている。
▌自車の死角部分や障害物を把握していない。
ことが事故データ・発生報告書から窺われます。
【バック駐車事故を防ぐ4つのポイント】
~ ❶停止して駐車スペースの確認➤❷安全確認してからバック ➤❸ 切り返して真っ直ぐバック ➤❹二段階停止 最後は2~3m手前で停止して最後の安全確認 ~を意識して行動しておれば事故は減少します。
~ 交通事故原因の85%は、認知ミスと判断ミスによるものです。
▼バックモニターの指導ポイント
バック事故を起こさないためには、ドライバーが右の4つのポイントを意識した行動とポイント・ポイントでバックモニターを活用した安全確認が必要不可欠です。
また、バックモニターは補助装置ということを指導してください。
~確実な安全確認は、停止しての安全確認(モニター確認)が一番~
▼バックモニターにも死角がある。
【視覚的死角】は目に見えない部分の死角…いわゆる壁の向こうは見えないのと同じで、カメラの視野角外の部分は見えない。
【潜在的死角】は、バックモニターがあっても「見ようとしない」心の死角や「だろう運転」行動です。
~バックモニターは、そもそも後退時に接近する壁等障害物との距離感を映し出しているので、横から来る歩行者や自転車、軒や庇などの高所部分を発見するようには設計されておらず、また夜間や逆光、自車の影等天候や外部の影響で見ずらい場合もあります。ので、その点を踏まえて指導してください。
~運転の基本は自車認識から~
知っていそうで知らないのが自分が毎日運転している車両です。~自車認識は、運転の基本~
下記グラフは、30人の自車認識度を調査した内容です。
~バックモニターの有効性・有難さを意識させよう~
運転席に座れば、死角が存在してます。
バック時、その死角を補ってくれるのがバックモニターです。
❶自身の死角認識と検証で、どれだけ死角距離が発生しているか?
❷バックモニターを使わずミラーだけのバックがどれだけ曖昧か?
を体験させたうえで、❷のバックモニターを使用した後方感覚を体験させると効果的です。
ガイドライン表示があれば、障害物までの距離等が把握できますので有効活用してください。
▌ガイドラインに表示されている【ライン】&【マーカ】の距離を検証する。
~最終停車場所手前で止まって確認する目安距離の確認と意識づけ。
~ (ポイント➃ 2~3m手前で停止確認)
▌二段階停止を意識させる。
停車場所手前2~3m手前で停止し、最終の安全確認地点をバックモニターのライン(マーカ)で決める。
※下のBM装着車の衝突部位を見てください。
もし、ドライバーが停止場所2~3m手前で意識して停止し(下記図➃)、安全確認をしていたら大半の事故は無かったのではないでしょうか?
原点回帰講習でのバック駐車方法
~右の実践指導項目を意識させよう。~
ポイント・ポイントで止まってモニター確認や目視確認また下車確認を!
バックカメラには、上の図のとおり左右上下の視野角があります。
どこまで見えて、見えないかを検証してください。
▌見えないことが分かればどこで見るか?
▼
事前に、車等の障害物や高所障害物を確認する意識をもって見ることが必要です。
※死角は、下だけではなく上にも死角があることを教えてください。・・・高所死角検証(下記図)
バックモニターには、上下視野角があり映らない部分があります。軒や庇等高所障害物に衝突しないようにするためには、事前の確認が必要になりますが、トラックの運転席に座るとトラックキャビンでの死角が発生しますので、まず目視の高所死角を体験させてください。
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▌BM車 バック時衝突52件中9件が高所障害物衝突 ~ 17.3%
※参考 BM未装着車
バック事故20件中
3件が高所障害物衝突
~ 15%
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4t車より2t車の方が高所障害物を見落としやすい。
下記写真のように2t車は高さ3mの障害物が5m以内で見えなくなっています。
▌資機材は、会社にあるモノやホームセンターで販売されているモノを使えばそれなりに実施できます。
要は、高さ3mの目印が、バックモニターにどの地点で映るか?消えるか?~車高の最大値は、3.8m→三脚の足を伸ばすなどして対応してください。
目視では、どの地点で見えるか?を検証することで、ドライバーに停止して確認する事の重要性を意識付けしてください。
▼バックモニターには映らない箇所があることを体験させてください。
障害物まで接近してしまえば、今まで見えていたものがカメラの視野角の関係で見えなくなります。
しかし、真後ろは別として左右から張り出している軒や庇は、左右のサイドミラーで補えます。
バックモニターはいつも綺麗に見えているわけではありません。
自車の陰で見えなくなったり夜間や逆光では見づらくなります。またバックカメラレンズに水滴等がついる場合もありますので、始業点検時の確認と、自車のカメラ特性を日頃から把握しておくことが必要です。
私どもが行う講習は、実技講習前に
●ドライバーのバック時の運転行動等の意識度●車に対する認識度
を把握したのち、意識度・認識度に対する検証や見極めを兼ねた実技講習を行っています。
その感想を含めた内容を依頼企業や受講者に返却及び提供しています。
右の感想は、バックモニター付車両でバック事故を起こした受講者の感想です。
~ 記録があれば、今後の運転や指導内容として活用できます。
関連項目
・ 交通事故対策に悩んだら「原点回帰」の体験型講習を!(交通事故形態に対応する事故原因と指導の考え方) ・ バック事故防止の指導方法~ 切り返しと安全確認がバック事故防止の決め手 ~(動画あり) |
原点回帰講習、バック事故講習等に関するお問合せは、
大阪香里自動車教習所 安全運転管理支援チーム
電話 072-831-0668 大阪府寝屋川市木屋町13-5
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