初任運転者の「指導・教育」に使える!
バス事業者のための (高速バス・貸し切りタイプ)
事故防止実技講習ノート
~ バス運転の基本を見直す原点回帰講習 ~
このマニュアルは、バス事業の指導者が、観光バス・高速バスを運転する上での基礎となる「バス運転の基本を見直す原点回帰講習」をマニュアルに沿って、座学と実車指導を実施することで、
①自車認識~車両と車両特性の認識
②車両感覚~過去の経験に基づく無意識の判断の見極め
③停止距離~認識とスマホ&実車による体験検証
等をドライバーにしっかりと理解させようとするものです。
はじめに
交通事故の多くは、
・一時停止と安全確認の不徹底 ・車間距離の不保持 ・制限速度の超過
などで、起きています。
言い換えれば、安全運転の基本を理解して遵守していれば、大半の事故は防ぐことができるはずです。
ところが、ドライバーのなかには、これらの基本について「知っているが、理解していない」「理解していないから行動できない」といったことから、事故発生に結びついていることが少なくありません。
安全運転の基本が理解できていない大きな要素は、日頃、自分が運転しているバスの車両感覚・運転感覚の検証や見極めができていないことにもあります。
実車を用いて実施する「バス運転の基本を見直す原点回帰講習」は、
①運転する車の大きさを知る・・・自車認識は、判断基準の基本
②車両感覚はあいまいと認めた行動をとる・・・特に遠近感の難しさ等を理解した行動
③車は急には止まらないことを理解する・・・反応時間はゼロにはできない
の3つを、ドライバーにしかりと理解させるとともに、それに基づく運転行動を習得させることを目的にしています。
本書を活用していただくことで、バック事故を含む交通事故の防止に取り組んでください。
また、本書は、初任運転者に対して行う「指導・教育」を実施する際にも利用できる内容となっていますので、ご活用いただければ幸いです。
注1:ノート内の項目と動画は同じではありませんので、動画の項目内容で判断してください。
事故防止実技講習ノートは、
▮特徴 ~基本を重点にした指導方法~ ※知識のドーナツ化現象を見直す指導方法
右の高速・観光バスタイプの衝突部位図を見てどのように感じますか?
また皆さんであれば、どのように指導しますか?
ある著名人の言葉に
「知識のドーナツ化現象(基礎知識の空洞化)」~発展知識の習得に目を向けるあまり,内側に位置づけられる基礎知識がおろそかになってしまえば本末転倒である…
との言葉もあります。
安全運転指導の点についても同じだと支援チームは感じています。基礎があってこそ応用があるのではないでしょうか?
座学(意識度・認識度)
実技
①死角検証
②死角検証(高所死角)
③車両感覚-左側端感覚
③-2車両感覚-ミラーを介して の後方感覚
実技
④バックモニター検証
⑤前車との車間距離体験
⑥急制動(急ブレーキ)体験
⑦車両特性-内輪差・外輪差検証等
⑧4つのポイントを取り入れた駐車指導
動画の撮影は、西日本ジェイアールバス株式会社の協力により撮影したものです。
原点回帰講習ノート 運転意識度 車両認識度
▼ダウンロード用 原点回帰講習ノート
注:ダウロード用のPDFにはパスワードを設定しています。
冊子 バス事業者のための (高速バス・貸し切りタイプ)「事故防止実技講習ノート」内に掲載され
てありますパスワードを入力してください。
※ 下記、講習ノートは支援チームが原点回帰講習時に使用しているノートです。
事故防止実技講習ノート ~ バス運転の基本を見直す原点回帰講習 ~ 標準版
「事故防止実技講習ノート」 事故データ入力用
「反応時間と停止距離」座学での説明手順
❶予測停止距離 5kmと40km時の予測停止距離を記入
❶-2 QRコードをスマホで読取り
開始画面❷の画面 結果画面❸
❹結果内容を上記表内に記入
▼参考
①座学時、スマホ検査の前に、停止距離について質問するのも一つです。 (空走距離+制動距離=停止距離)
「反応時間と停止距離」座学➤実技検証
上記座学で検証した内容を実技で実施
★40kmは、無理なので発進時の急制動体験を実施➤ 車は急に止まらないことを体験
★低速時の場合、停止距離の大半が空走距離(反応時間)が占めていることを理解してもらう。
乗用車版、貨物版ともノート内のQRコードを認識すると下記と同じ説明動画が視聴できます。
▌乗用車▶ 座学➤ 2項目2本 (意識度、認識度) ▌実技➤ 7項目 の計9本です。
▌貨物車▶ 座学➤ 2項目2本 (意識度、認識度) ▌実技➤ 9項目 の計11本です。
下記の各項目別のボタンをクリックすると動画を視聴できますので、参考にしてください。
※ 社員教育や学習の基本は、「単純、反復、繰り返し」と言われています。
乗用車、貨物車とも「意識度・認識度調査」の結果に基づいて【交通事故防止指導マニュアル 】やや【バック事故防止指導ノート】を使用しての座学講習(事前に行った内容をどれだけ把握しているか?)を参考にして実技講習を行うと効果的です。
▌「ハンドル操作別 事故分析ツール」Excel版を2021.12公開しましたので参考にしてください。(車種別イラストを入れ替えることで、トラック(基本はトラック画像)、乗用車にも対応しています。)
ハンドル操作と衝突部位から指導点を探る。